チックが亡くなってしまった [Jazz]
2月9日にチック・コリアが亡くなった
ここのブログでもチックの事を二度ほど取り上げて書いて来たが、
2年前の札幌コンサートの時の事を書いた時に「もうチックを観るのは最後になるかも知れない」と書いたが、そうなってしまった・・・
まぁ~ジャズミュージシャンを筆頭に、あの当時のソウル・ロック系のミュージシャンは現在健在でコンサートを観れたとしてもやはり高齢なので、どのジャンルのミュージシャンでもコンサートを観るのは最後になるかも、と言うのは自分の事も考えても当然そうなる確率は益々高くなっていく
マイルス繋がりのピアニストではビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、ジョー・ザビュヌル、チック・コリアを観て来た
ジョー以外はみんなサインをもらっているので自分の宝物だ!(特にビルは亡くなる前の最後になった日本公演の時のサイン)
本当はキース・ジャレットのステージも観ておきたかったのだが、キースも脳卒中の影響で半ば引退になっているのでコンサートを観る事はもう難しいだろう
チックはここで書いてあるように3度ステージを観て来たので想い入れが強い
アルバムはやはり70年代が多いのだが、チック名義で10枚以上とリターン・トゥ・フォーエヴァーはオリジナルアルバムとして全ての8枚を保有している
エヴァンスやハンコックはそれ以上の凄い保有数になってますが・・・
中学生の時に放送部の顧問の先生の家に遊びに行った時に(今にして思えば最高に音楽センスの良い先生だったと思うが)リターン・トゥ・フォーエヴァーの1st(チックのソロ名義でもバンドとしての第一作)を聴かせてもらって、未だロックとポップスしか知らなかった自分は何が良いのか全然分からなかった
しかし後々にやはりアルバムを買ってしまう事になって行くのだが、まぁ今聴いても聴き易い音楽ではないだろうな
当時その先生の家で聴いたように、先生はオーディオにも凝っていたので、そのようなオーディオ装置でじっくり聴いた方が合う音楽だと思う
まぁやっぱり、スタンリー・クラークやアイアート&フローラ、ジョー・ファレルの事が分かるようになってから聴いた方がミュージシャンの音として意識して聴けるので、中学生時代と違って興味深く聴けるようになったと思っている
リターン・トゥ・フォーエヴァーとしては次作の「Light as a Feather」の方が聴き易いし、「Captain Marvel」「500 Miles High」そしてあの「Spain」等の有名曲も入っているので、1stよりもよく聴いた
チックの弾くエレピとプリム(正確にはプリンと呼ぶらしい)のヴォーカルが前面に出たアルバムで、後のプリムのソロアルバムにも通じて行くアルバムだ
「スペイン」を久し振りに聴いたが、チックが亡くなったと言う事で思いも一入だ
3枚目からメンバーも代りロック色の強いアルバムになって、「Hymn of the Seventh Galaxy (featuring Chick Corea)第7銀河の讃歌」はもろジャズロックなアルバムだ
未だこの頃は後に出て来たクロスオーバーと言う聴き易いジャズではなく、後にフュージョンと呼ばれるジャズはマイルスの影響を受けたロックやソウル(ファンク)よりの演奏のアルバムが多かった
自分はスタンリーもレニーもステージを観た事があるが、その二人が知名度を多く得るきっかけになったこのアルバムは当時の彼等の演奏の凄さを聴けるアルバムでもある
自分の意見としてはこの1枚だけ在籍したビル・コナーズのギターはこのアルバムに関しては次のギタリストのアル・ディ・メオラからみたらギンギンに弾き過ぎていて余りメリハリを感じるギターではないように思える(まぁ曲調のせいだとも言えるが)
4枚目の「Where Have I Known You Before」はやはりロック色も強いアルバムだと思うけど、スタンリーやレニーのソロアルバムに通じるようなソウルフルさも感じるさせる曲もあるし、前作のロックっぽい演奏が前面に出ていたアルバムよりも当時で言うクロスオーバーに通じる洗練された曲も入っているアルバムだ
そんなアルバムの中でもチックのアコースティックソロピアノの演奏はアルバムの中でも落ち着きと安らぎを感じさせる
5枚目の「No Mystery」はよりクロスオーバーっぽいアルバムで、この時代辺りからジャズフィールドではエレピを多用した洗練された曲やソウルやファンクが融合されたアルバムが多数出て来るようになった
このアルバムでもスタンリーとレニー、アルと自作曲を取り上げられ、前作以上に各メンバーがアルバムの中で色を出すようになって行った
全面的にエレピとシンセを弾いているチックがやはりこのアルバムでもアコースティックピアノを弾く曲を入れているが、自分としてはそれがかえって際立ってそちらの曲を聴く比重が高くなったアルバム
6枚目「Romantic Warrior」はチックがかなりシンセを弾きまくっている印象のアルバムで、余りメリハリのある選曲のアルバムではないのでアルバム全曲を聴いていると飽きて来て、自分にとっては聴く頻度が低かったアルバムだ
7枚目の「Musicmagic」は不動のメンバーのスタンリー以外はガラッと変わって、チックの奥様のゲイル・モラーンがヴォーカルをとっている曲もあり結構聴き易いアルバムだ
ジョー・ファレルが戻り、前にここのブログでも自分が取り上げていたジェリー・ブラウンがドラムで参加して、ホーンも参加しているギターレスのアルバム
ロック色が前面に出ていた3枚目から前作までのアルバムと違い、かなりジャズよりの曲が入っているが、やはりゲイルやスタンリーがヴォーカルをとっている曲もあってポップな曲としても聴けるので全体的にジャズっぽくはなっていない
最後は前作の「Musicmagic」とほぼ同じメンバーのコンサートのライヴ盤の「Live the Complete Concert」はやはり「Musicmagic」の曲が中心になったライヴアルバムなのだが、その中でスタンダードナンバーの「Come Rain or Come Shine/Fine and Dandy」と「On Green Dolphin Street」をやっている
ジャズヴォーカリストの歌唱に慣れてる自分としてはゲイルが歌う「Come Rain or Come Shine/Fine and Dandy」は少し違和感があるが、リターン・トゥ・フォーエヴァーとしての楽曲の中ではこれはこれで新鮮だし、フュージョン的なサウンドを続けて聴いていると「Serenade」とか「On Green Dolphin Street」のモダンジャズの演奏の方がやっぱりしっくり来る
特に長尺だけど「Serenade」はチック、スタンリー、ジェリーのトリオの演奏は素晴らしいし、ジョーのサックスも聴き惚れてしまう!(V.S.O.P.を聴いているみたい)
しかしジェリー・ブラウンってソウルやフュージョン系だけじゃなくモダンも演奏出来るのね
自分としてはガッドの4ビートよりもジェリーの4ビートの方が違和感なく聴ける
ここまでリターン・トゥ・フォーエヴァーを中心に書いて来たが、チック・コリア名義のアルバムでは「The Leprechaun」からの「Lenore」と「My Spanish Heart」からの「Wind Danse」が良く、コリアとガッドの疾走感のある演奏が凄く良い(ガッドはやはりこう言うフュージョン的な演奏の方がやっぱり良い)
前に話したアルバム「Tap Step」と同じくトム・ブレックラインとバニー・ブルネルのリズム隊が演奏している、アルバム「Secret Agent」から「Fickle Funk」
ジョー・ファレルのサックスとアル・ヴィゾッティのフリューゲルホーンのユニゾンの演奏が良いねぇ
と言う事で、マイルス繋がりの自分が観たピアニストの中では健在なのはハンコックだけになってしまった
ハンコックも80歳を過ぎて高齢になっているが、未だ音楽活動もしているみたいなので長生きして欲しい
チックが亡くなって残念だけど、2年前にチックを観ておいて本当に良かった
2021-02-14 12:36
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