最近、改めてよく聴いている今井美樹の「地上に降りるまでの夜」

自分は洋楽を聴く時は当然英語詞なので、よっぽど気に入った曲で口ずさんで歌いたくなる曲などは歌詞を見て覚えた事はあるし、スタンダードナンバーみたく名曲と言われる曲は日本語の訳詞まで見て曲に思い入れが強くなった事はあるが、自分はやはりメロディとリズム重視で曲を聴いて来ているので歌詞は二の次だ

そして邦楽も同じように歌詞は余り意識しないで聴いているし、歌えるくらいにして歌詞を覚えて来た曲も中にはあるが、自分の場合は邦楽はメロディ以上に歌詞を意識して聴いて曲に感情移入するのは日本語詞だとしても逆に洋楽よりも少ないと思っている

そんな中でも「地上に降りるまでの夜」は自分にとって歌詞を強く意識して聴いてしまう曲だ

自分は今井美樹は当時はレンタルでカセットに入れて聴いていて、この曲が入っている「MOCHA under a full moon」のアルバムとベストの「Ivory」を昔よく聴いていた中で(現在はCDを保有している)、ドラマーの青山純さんが亡くなってから、この「地上に降りるまでの夜」を青山さんらをバックに今井美樹が歌っているビデオをユーチューブで観たのだが、余りにも素晴らしい演奏で感動してしまった。





それから今でも偶にこの曲を聴いているのだが、この曲を作詞した岩里祐穂さんの歌詞が特に素晴らしくて、歌詞を聴いていると情景が浮かんで感情移入してしまいとても感動する


叶わぬ恋を歌った歌詞なんだけど、一つのシーンをこれだけ情景を思い起こさせる言葉を的確に入れ歌詞にした岩里さんの才能は素晴らしいと思うし、邦楽の歌詞でこんなに感動する事は自分には余りない




洋楽邦楽問わずポピュラーミュージックでラヴソングが占める割合は圧倒的に多いと思うが、そんな中でもどうして失恋ソング(別れの歌)はこんなに絵になるのか

やはり喜びよりも悲哀を歌った方が人の心に深く響くからだろう


この曲の作曲は柿原朱美と言うシンガーソングライターで現在はakという名で活動しているらしく、アルバムも80年代から出していてアイドルを中心に当時から楽曲も提供していたみたい


自分としても彼女のアルバムを一度聴いてみたいと思っている(当時と比較すると近年はかなりイメチェンしている感じ)




それにしても、この曲の演奏も又本当に素晴らしい!


佐藤準さんのアレンジはこの曲にピッタリだと思うし、ラヴバラードでも全然甘ったらしくなく都会的で洒落た感じでいつまでも余韻として耳に残る

青山さんのリムショットと後半のスネアの音がずしんと心に響く

ラブバラードでこんなにスネアの音が重く響く曲ってあるのだろうか?

高水”大仏”健司さんのベースと今剛さんのギターもとってもステキだ

やはりこう言うスローな曲でミュージシャンの力量が分かる

スローな曲は間の表現力が非常に重要になって来ると思うので、このメンバーの一体感が曲の仕上がりにとても影響する

この3人の演奏は尾崎亜美さんの武道館ライヴの演奏をユーチューブでも観て来て、その中で彼等3人のワイルドな演奏も観れるが、この「地上に降りるまでの夜」のようなスローバラードでも彼等の一体感は素晴らしい

佐藤準さんのエンディングに向かって弾くピアノの音も耳から離れない

自分は佐藤さんの「彩 (To Start With AYA)」と「CHAOS」の2枚のアルバムを持っているが、佐藤さんがとてもおニャン子クラブの仕事をしていたとは思えないほどの演奏をしている名アルバムだ

ヒーリングミュージックとも言える佐藤さんのアルバムで佐藤さんのシンセとクラシカルなピアノの演奏が聴ける

その中でもアルバム「彩 (To Start With AYA)」の「Father's Amex」と言う曲で特に佐藤さんのピアノが堪能する事が出来る 

ティンパニーのイントロから始まってシンセの打ち込みサウンドに佐藤さんのピアノが被りパーカッションがアクセント的に入るシンプルな曲だけどとても幻想的な曲だ

その曲とは対照的なコーラスとオルガンも入ってファンキーなベースが絡むフュージョンサウンドの「Come to Me」

上記の二曲が特に自分のお気に入りだ





今井美樹の「MOCHA under a full moon」のアルバムはヒット曲の「Boogie-Woogie Lonesome High-Heel」も名曲だと思うし、当時の流行りのサウンドも取り入れた傑作アルバムだと思うけど、この「地上に降りるまでの夜」が入っている事で名アルバムの一つになったと思うし、今井美樹の歌も、そしてアレンジも演奏も歌詞も全て最高の出来の邦楽史に残る名曲だ