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フィリーの屋台骨 MFSB [Soul]


いつもの事ですが、音楽を聴いていて急に記事にして書きたくなることがある


ここでも以前、最初に自分がソウル好きとなるきっかけのフィリーサウンドの事を書いているけど、あのビリー・ポールも、オージェイズも、黄金期のスピナーズも、初期のスタイリスティックスも、バックで演奏をしていたのはMFSBと言われるミュージシャンの音楽集団がしていた


MFSBはマザー、ファザー、シスター、ブラザーの頭文字の略だと公に言われてるみたいだが、その当事者であるMFSBのミュージシャン達の仲間内ではMFSBの事を「マザー、ファッ〇〇、サンオブビッ〇」の略と呼んでいたらしい


要はもの凄い汚い言葉のスラングの略とミュージシャン同士でシャレで呼び合っていたそうだ。


まぁ~そんなエピソードとは裏腹に彼らのサウンドはストリングスを中心とした華麗な美しいストリングスサウンドが一番の特徴であったが、バラードだけじゃなく黄金期のドラマーのアール・ヤングの4つ打ちもディスコサウンドのリズムとして時代をリードした。


自分は上記に挙げたアーティスト達を中心にフィリーの虜になりフィリーサウンドが大好きになって行くのだが、未だ最初はバックで演奏しているMFSBの事は意識していなかった。


やはりMFSBとしてヒットした「TSOP(ソウルトレインのテーマ)」がアメリカで1位になり、彼らのセカンドアルバムを買ってから、クレジットが詳しく書いてあり、写真と共にメンバーの名前を知り凄く意識するようになってからだ


M.F.S.B. 2.jpg

M.F.S.B. 4.jpg


ところが実際は彼らの曲で、自分がもっと前から大好きだった曲がある


その曲は彼らのファーストアルバムに入っていた「ポインシアナ」と言うスタンダードナンバーのインスト曲だった


M.F.S.B. 3.jpg


中学生の時からラジオ関東の番組の湯川れい子さんの「全米トップ40」毎週欠かさず聴いてビルボードのチャートをノートに付けていたのだが、その番組の中で湯川さんなどが、おしゃべりの時だったかにBGMでその曲が流れていた


それはストリングスがとても美しく、とってもムードのある、後にスタンダードナンバー好きになって行く自分が凄く気に入っていた曲だった。


だけど曲名も演奏者もその時は分からなかった


その曲が「ポインシアナ」と言う曲だと分かったのは、マンハッタン・トランスファーのアトランティックでのセカンドアルバムの「Coming Out(邦題、華麗なる開花)」の中に入っていたからだ。


マイケル・ブレッカーのソプラノサックス・ソロが非常に印象的な曲で(マイケルがソプラノを吹いているのは凄く珍しい)MFSBで聴いていたようにやはりこの曲が大好きになった。


そしてなんと、マントラのこの曲とMFSBが繋がっているところがある。このマントラの「ポインシアナ」のイントロと、マントラのこのアルバムの前に発表したMFSBのサードアルバムの「フィラデルフィア・フリーダム」の中のソウルインストグループのウォーの曲のカバー「スマイル・ハッピー」のイントロと同じなのだ!


「Coming Out(邦題、華麗なる開花)」のプロデューサーのリチャード・ペリーかマントラが絶対意識してやった事だと思う。


と言う事はやはりマントラが「ポインシアナ」をこのアルバムで取り上げる時にMFSBの「ポインシアナ」のヴァージョンも意識していたのではないか?と推測出来る(偶然にしては出来過ぎている)


Coming Out.jpg

M.F.S.B. 5.jpeg

前置きがかなり長くなってはいるが、自分の持っている、この「ポインシアナ」の各カバーでも20曲以上あるくらいの大スタンダードナンバーを作曲したのはナット・シモンでキューバでヒットしたあとに作詞家のバディー・バーニェが英語詞を付けてビング・クロスビーが歌い大ヒットさせた


MFSBはセカンドアルバムでも「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」のスタンダードを演奏している。


自分としてはこれらのMFSBの曲と、同じフィリー系のサルソウル・オーケストラの「レヴ・レターズ」のスタンダード曲、あとダイアナ・ロスの大ヒット曲「ラヴ・ハングオーバー」が入っている1976年のアルバム「ダイアナロス」の中で歌っていたチャップリンの大名曲「スマイル」 これらの曲が自分がスタンダードナンバー好きになるきっかけになった曲だと言える


The Salsoul Orchestra.jpg

Diana Ross (1976).jpg


MFSBのストリングス・セクションのメンバーの中にはクラシックのフィラデルフィア管弦楽団でも活動していたメンバーもいたらしい ストリングスのリーダーのドン・レナルドはストリングス・アレンジも手掛けサルソウル・オーケストラ、ジョン・デイヴィス・アンド・ザ・モンスター・オーケストラ等でもストリングスアレンジを担当していた

Ain't That Enough for You.jpg


ドンと共にMFSBのメンバーだった、ヴィブラフォン奏者のヴィンス・モンタナJrやジョン・デイヴィス等がやはり元々ジャズの影響を受けたミュージシャンでスタンダード好きだった事から、ギャンブル&ハフやリズム隊の黒っぽいサウンドだけに偏らなかったのだと思う


Don Renaldo.jpg

Vincent Montana, Jr..jpg

John Davis.jpg

Gamble & Huff. 2.jpg


MFSBはフィリーサウンドだけに関わらず、ストリングス・セクションメンバーはあのヴィレッジ・ピープルの「YMCA」で演奏しているし(リッチー・ファミリーのジャック・モラリ繋がりで)、意外なところではデヴィッド・ボウイやアリス・クーパーのバックでも演奏している


当時はフィリー詣でと言われて、フィリー系のアーティストだけじゃなく、色んなアーティスト達がフィリーサウンドの聖地、シグマサウンド・スタジオで録音している


それくらいフィリーサウンドは一世を風靡した


フィリーやMFSBについてはまだまだいっぱい書きたいことがあって書き足りないので、また書いていきたいと思っている





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