フィリーとソウルのレコード [Soul]
前回、話したような流れでソウルも好きになって行くのだが、
自分が最初に買ったソウルのレコードはスピナーズの「フィラデルフィアより愛をこめて」(曲はトム・ベルじゃなくスティールス兄弟の作品)だった。
そして最初に買ったソウルのLPもスピナーズだった。
フィラデルフィアソウルは前回話したビリー・ポールの「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」よりも先にスタイリスティックスの「ユー・アー・エヴリシング」「ゴーリー・ワオ」やオー・ジェイズの「裏切り者のテーマ」、ハロルド・メルビン&ザ・ブルーノーツの「二人の絆」、そしてスピナーズの「いつもあなたと」がトップ10ヒットはしていた。
厳密に言えば、フィラデルフィアサウンドは古くはチャビー・チェッカーの「ツィスト」とか、バックのインストの演奏のみヒットした、クリフ・ノーブルズの「ホース」、MFSBの前身にあたるエレクトリック・インディアンの「キモサベ」、あとはジェリーロス繋がりのプロジェクトとか、それに絡んできてギャンブル&ハフとトム・ベルが古くからフィラデルフィアの音楽業界で仕事をしていた そう言う過程と歴史の中で生まれて来た音楽なのだけど
やはり70年代に黄金時代が始まった。
スタイリスティックスとスピナーズはトム・ベルのプロデュースで大成功したコーラスグループだった。
それにしてもトム・ベルは素晴らしいメロディ・メーカーだと思う。山下達郎さんがトム・ベルのことをリスペクトするのは良く分かる。
「ゴーリー・ワオ」は元はジャズ系ポップシンガーで白人女性のコニー・スティーヴンスのためにトム・ベルが書いた曲を 再度スタイリスティックスが歌って大ヒットさせた曲なんだけど、この曲は元々の楽曲が素晴らしい曲だったから、華麗なMFSBの演奏をバックにスタイリスティックスが歌い、あれだけの名曲になったのだと思う。
とにかく、フィラデルフィア・サウンドと言えば、アール・ヤングの4つ打ちもあるけど、やはり流れるような美しいストリングスだと思う。
ソウルはジャクソン5(マイケルのソロも絡む)とか、マービン・ゲイのモータウン系、チャイ・ライツのシカゴソウル、そしてレコードも買おうか!と思ったくらい良い曲だと思っていたコーネリアス・ブラザーズ&シスター・ローズの「トゥ・レイト・トゥ・ターン・バック・ナウ(グループ名も曲名も長いわ!w)」スピナーズの前に欲しいと思っていたレコードはあった。(ビル・ウィザースやアル・グリーンの曲は渋過ぎて欲しいとは思っていなかったw)
そんな中でスピナーズの「いつもあなたと」がヒットチャートに上って来て、良い曲だなぁ~とは思ってはいたのだが、彼等の次のシングル「フィラデルフィアより愛をこめて」もチャートに上ってきた頃に迷わずシングルを購入した。
ボビー・スミスがリードを取るこの曲の歌詞も結構覚えた。そしてこの曲はやはりアール・ヤングのドラムだろう。
この曲で一気にソウルもフィリーも夢中になっていく。
この曲を大いに気に入ったので、その流れで彼等のアトランティックでのデビューアルバムも買った。
A面1曲目の「いつも貴方だけ」この曲を最初に聴いただけで、このアルバムの素晴らしさが分かった!
とにかく このアルバムの中で最高の出来として今まで何度も聴いてきた曲だ。
シングルでヒットした曲も多かったし、後に自分が好きになっていくジャンルのジャズっぽいアレンジの曲も含めて殆どの曲が良い曲だと思って、このアルバムを全曲を通して聴くことが多かった。
最初に自分が買ったソウルのアルバムで、こんな全曲抵抗なく聴けたアルバムは奇跡的だったのかもしれない。
自分の音楽歴で外せない流れ [音楽]
先に書いたように、音楽雑誌ミュージックライフを毎月購入していたのだが、ミュージックライフにはアメリカのチャート誌、キャッシュ・ボックスとビルボードのチャート、それとイギリスのニューミュージカルエキスプレスとメロディメーカーのチャートを載せていたページがあった。
ミュージックライフのレコード紹介の時、殆どの曲は今チャート急上昇中とか、全米1位!とか書いて紹介されていた。
そうなると自分としても次第にチャートと言うものに興味が湧くようになっていった。
それと当時はラジオでも順位的な音楽番組が結構あって、良く聴いていた番組でも毎週、ビルボード、キャッシュボックスのチャートを発表していた。
それで、日本で未だヒットしていない曲のことや日本でヒットしなくてもアメリカでヒットすることがいかに凄いことなのかと言うことが分かっていって、どんどんアメリカン・チャートに興味が惹かれて行った。
その頃はシェールの「悲しきジプシー」、アイザック・ヘイズの「黒いジャガー」、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「ファミリ・フェアー」が全米1位になったことは何となく分かっていたし、その後に続く1位曲も日本でヒットしていた曲だったので殆ど知っている曲ばかりだった。
そんな中で、マック・デイヴィスの「愛は心に深く」、チャック・ベリーの「マイ・ディンガリン」、ジョ二ー・ナッシュの後にレゲエの名曲となる「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」など、日本で余りヒットしない曲などが全米ナンバー1になった曲もあって、これは日本でヒットした曲ばかり追いかけていてもダメなんだな~と思い
カーリー・サイモンの「うつろな愛」が1位になった頃から、ラジオ番組で毎週発表していたビルボードチャートを(トップ10のみ)ノートに付けるようになり、後にラジオ関東の湯川れい子さんの「全米トップ40」の放送を毎週欠かさず聴いてノートに必死になって付ける流れになって行くのである。
その流れの中で自分が強く惹かれた2曲のソウルの名曲
アイザック・ヘイズの「黒いジャガー」とビリー・ポールの「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」
この2曲を知ったお陰でソウルに俄然惹かれていくことになる。
だけど実際、当時はこの2曲のシングルをリアルタイムでは買っていなかったのだが(後からベスト盤とかで買った)、インストなんだけど、なんだかとにかくカッコイイ!アイザックへイズの低い語りのようなヴォーカルなんだけど、曲として全体の構成と展開がとにかく今までなかったような曲に感じられた(まぁ~映画曲だったのだから当たり前なんだけど)
そして当時テレビで観たアカデミー賞でのアイザックへイズのパフォーマンスが決定的になる!(実際この曲はアカデミー主題歌賞を受賞)バックで踊るダンサーとアイザックの演奏と歌が凄くマッチしていて ソウルって凄くカッコイイなぁ~と分かったのだった。
一方、「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」は前者とは違い、甘いバラードで、その時は不倫の歌とはガキには全然分からずに聴いていた曲だったのだが(まぁ~タイトルで考えれば、何となくそう言う意味だったのか!と大人になって気付くことになるw)、とにかくストリングスが美しい(MFSB、最高!正にグレート!)
チャイ・ライツの「オー・ガール」とはまた違ったソウルバラードの美しさを感じた曲だった。
この曲でフィラデルフィア・サウンドを知ることになり、時代も正にソウルはフィリーの時代になって行くのだが、自分のソウル好きの原点になった曲だった。
出来たばかりの勢いと言うことで [Rock]
とりあえず、まだまだ続くよ 最初に買ったシリーズ
何れ更新無しの大人しいブログとなって行くだろうと、今から自分としても想定しているが、
勢いがある内に書きたいことを書いて行こうと思ってます。
ポップスなどの流行の聴き易い洋楽から入っていったのだが、何せ70年代初期、自分も当たり前のようにロックの洗礼を受けて行くことになる。
ラジオを聴くことが日常生活の一部となって行った時に、今と違って中々情報など入って来ない時代に、ラジオだけの情報じゃ物足りなくなるし、当時はアーティストの写真さえもレコードジャケット以外では見れない時代だったので、どんなアーティストなのか見た目でも知りたくなって、当時としては貴重な音楽情報雑誌(月刊誌)だったミュージックライフを毎月購読することになって行く。
もう毎月毎月、ミュージックライフが本屋に入るのを楽しみに待ちながらラジオを聴いていた。
ミュージックライフを最初見た時は、そりゃ~衝撃でした。
先に買ったレコードのアーティストはジャケットで姿が分かっていたが、ラジオで聴いていた未だレコードも持っていないアーティストの画像を見た時は、特にロック系のアーティストはやはりカッコイイと素直に思った。
ミュージックライフは時代もそうだったし、やはりビートルズの流れからロック中心の雑誌だった。だからロックの虜に直ぐになって行った。
シカゴやサンタナがシングルレコードのヒットもあり、先ず最初に好きになって行ったロックバンドだったが、シカゴは特にデビューアルバムからして2枚組みのアルバムを出していたグループで、自分がそんなロックに夢中になって行った時には4枚組みのライヴアルバムを出していた時代だった。
廉価版の2枚組みにしたものを、それぞれ1と2で出していたが、それでも買うのは厳しかったし、どうせ手に入れるなら4枚組みの本物が欲しいと思っていた。
しかし結局手に入れたのは30年後のCD時代になってからであったw
まぁ~そんなこともあって、1枚もののシングルアルバムを買うのも大変な時代に2枚組みのアルバムを買うのは大変な事でした。
それでもカーペンターズの次に買ったLPはロックアルバムであった。
ハードロックの王道のレッド・ツエッペリン!「ブラックドッグ」のシングルも、「ロックンロール」のシングルも買わないで我慢して、ツエッペリンのレジェンドアルバムとなる「ツエッペリンⅣ」のアルバムを買った。
「ブラック・ドッグ」は絶対ロバート・プラントしか歌えないと思う(他のアーティストも歌っているのもあると思うが)あのハイトーンの叫びの声と曲にこれほどマッチしたロバート・プラントの歌は「天国への階段」がツエッペリンしか様にならないように、プラントしか歌えない。
それに比べてロックのレジェンド曲となる「ロックン・ロール」は色んなロック系のアーティストが演奏しても、様になるかどうかは別としても、カッコイイ曲としてロックの大名曲になった。
このアルバムの「天国への階段」については、もう今更自分が語るようなこともないのだが、
このアルバムの中で自分が一番好きな曲は「ミスティ・マウンテン・ホップ」だった。
今でもこのアルバムを聴いた時に一番聴く曲だ。ジョンジーの弾くエレピとページの弾くギターがユニゾンとなって繰り返されるリフが耳に残る。
それにやっぱりボンゾのドラムがカッコイイ!ロールも交えたドラムが通常のロックドラムと違って、とってもメリハリがあって今でもカッコイイドラムだと思う。
そして次の曲「フォー・スティックス」のボンゾのドラムがまたまた素晴らしくカッコイイ!!!
自分は楽器は弾けないので詳しいことは良く分からないが、純粋なリスナーの立場として聴いていても、何十年経って今聴いても、ボンゾのフロアタムとタムを多用したこのドラミングは本当にカッコイイと思う。
まぁ~ロックの伝説になったこのアルバムのことをゼップファンを筆頭に多くの音楽ファンが語ってきたと思うので、自分の主観からの思ったことしか書けないが、
やはりこのアルバムは自分が青春時代を過ごした、ロック時代の証となる、自分がロックを語る上で欠かせないアルバムである。
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